忙しいのに仕事が進まない。「頭戻り」という時間のムダを知っていますか?

朝から仕事をしているのに、気がつけばもう夕方。

メールに返信して、お客様からの問い合わせに対応。途中まで作っていた資料を開いたものの、別の用事が入って、また中断。

「あれ? 今日、何をしていたんだっけ?」
「一日中仕事をしていたのに、思ったほど進んでいない」
こんな経験はありませんか?

一人で仕事をしていると、営業も、広報も、経理も、お客様への対応も、すべて自分で行わなければなりません。
さらに、家事や家族のこと、自分自身の用事もあります。

やりたいことはたくさんあるのに、使える時間には限りがある。
だからこそ、時間の使い方を工夫したいですよね。

そんなとき、ぜひ知っていただきたいのが、「頭戻り(アタマ戻り)」という考え方です。

目次

「頭戻り」とは? 見えない時間のムダ

「頭戻り(アタマ戻り)」は、萩原雅裕さんの著書『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか?』で紹介されている言葉です。

簡単に説明すると、一度考えたことを忘れてしまい、再び同じことを考え直すことです。

例えば、セミナーの資料を作っているとします。
参加者のことを考えながら内容を組み立て、ようやく構成が決まりました。
ところが、急ぎの仕事が入って制作を中断。

数日後、続きを作ろうとパソコンを開いたとき、
「この次は何を説明する予定だったかな?」
「どうして、この順番にしたんだっけ?」
結局、最初から資料を読み直し、もう一度構成を考えることに。

資料そのものは残っていても、そのとき考えていたことまでは残っていません。
これが頭戻りです。

仕事には「手戻り」という言葉もあります。
こちらは、一度行った作業を何らかの理由でやり直すこと。

一方、頭戻りは頭の中で起きるため、自分でも気づきにくいのです。
同じことを何度も考えている時間。
これが積み重なると、無意識に思った以上に時間を使ってしまっているのです。

一人で仕事をする人ほど、頭戻りが起こりやすい?

個人事業主や小規模事業者は、一日の中でさまざまな役割を切り替えています。

ブログを書いていたら、お客様からLINEが届く。
返信しているうちに、請求書を作らなければいけないことを思い出す。
請求書を作り終えたら、今度はSNSの投稿。

そして、ようやくブログに戻ったころには、何を書こうとしていたのかわからなくなっている。

もちろん、すべての仕事を一つずつ終わらせられれば理想的です。
でも、現実にはそうはいきません。

お客様からの連絡を無視するわけにもいきませんし、予定外の仕事が入ることもあります。

大切なのは、仕事を中断しないことではなく、中断しても、スムーズに再開できる状態をつくることだと思います。

私が実践している、AIを使った「頭戻り」対策

そこで、私が取り入れているのがAIの活用です。

私は日頃からChatGPTを使い、仕事の相談や文章作成、資料の構成、ホームページの設定などを進めています。

そして、ある程度仕事が進んだところで、AIにこんなお願いをすることがあります。

「今日の仕事をまとめて」

実際、先日もメールの設定作業を進めた際に、
「今日の午前中で行ったことを簡潔にまとめて」
とお願いしました。

メールの設定などは、いくつもの画面を開いて確認したり、設定を変更したりと、細かな作業が続きます。

その場では覚えていても、数日後には、どこまで進めたのかわからなくなることがあります。
そこで、AIとのやり取りをもとに、作業内容を整理してもらうのです。
すると、何を確認して、どこまで進み、何が残っているのかを振り返りやすくなります。

自分で最初から書き出す必要がないので、とても助かっています。

さらに便利なのが、
「まだ終わっていないことと、次にやることもまとめて」
というお願いです。

これなら、次に仕事を再開するときも、何をする予定だったのか確認できます。

ただし、AIは何でも知っているわけではありません。
会話の中で伝えていない作業は把握できませんし、まとめた内容に間違いがないか確認することも必要です。

それでも、自分一人で仕事を進めている人にとって、AIに仕事の振り返りを手伝ってもらえるのは、大きなメリットだと感じています。

AIは、仕事の続きを始めるための相棒にもなる

AIというと、文章を書いてもらったり、画像を作ったり、調べものをしたりするためのツールだと思われがちです。
もちろん、そうした使い方も便利です。

でも、私はそれだけではないと思っています。

例えば、仕事を終えるときに、こんなお願いをしてみてはいかがでしょうか。

「今日、このチャットで進めた仕事について、完了したこと、まだ終わっていないこと、次にやることを整理して」

さらに、

「次に取りかかるとき、最初に何をすればいい?」
と聞いておくのもおすすめです。

AIと相談しながら決めたことなら、決定した理由まで一緒にまとめてもらうこともできます。

必要な内容をノートや仕事の管理表に保存しておけば、別の日や別のチャットから再開するときにも役立ちます。

また、お客様の個人情報や社外秘の情報などは、利用するAIの設定や取り扱いルールを確認したうえで、入力する内容に注意してくださいね。

AIに何もかも任せるのではなく、自分の考えを整理し、次の行動につなげるために利用する。
これも、仕事を効率よく進めるための一つの方法です。

AIを使わなくてもできる、頭戻りを減らす工夫

もちろん、頭戻りを減らす方法はAIだけではありません。

日頃の仕事の進め方を少し変えるだけでも、改善できることがあります。

1.次にすることだけは残しておく

仕事を中断するときに、「次は何をするのか」を一つだけ残しておきます。

例えば、
「ブログの後半に、お客様の事例を入れる」
「セミナー資料の7ページ目に、Canvaの操作画面を追加する」
など、具体的に書いておくと再開しやすくなります。

余裕があれば、なぜそうしようと考えたのかも残しておくと、さらに便利です。

2.似た仕事は、できるだけまとめる

ブログを書く、SNSの投稿を作る、画像を制作する。

これらを何度も行ったり来たりするよりも、同じ種類の仕事をまとめて進める方が、考え直す時間を減らせます。

例えば、SNSの投稿テーマをまとめて考える日と、画像を作成する日を分ける方法もあります。

自分で調整できる仕事から、少しずつ試してみてください。

3.一日の終わりに、途中の仕事を確認する

一日の仕事を振り返るとき、終わった仕事だけでなく、途中になっている仕事にも目を向けてください。

「何が残っている?」
「次は何から始める?」

この二つを確認するだけでも、翌日の仕事が始めやすくなります。

すべてを完璧に記録しようとする必要はありません。
続けられる方法を選ぶことが大切です。

時間を増やすより、同じことを考え直す時間を減らす

時間管理というと、早起きをする、スキマ時間を活用する、作業のスピードを上げる、といった方法が思い浮かびます。

もちろん、どれも役立つ方法です。

でも、これ以上頑張る時間を増やす前に、今ある時間の使い方を見直してみることが大切だと思うのです。

一度考えたことを、何度も考え直していないか。
前回どこまで進めたのか、思い出すことに時間を使っていないか。

そんな小さなムダに気づくだけでも、仕事の進め方は変わっていくと思います。

私自身、やりたいことはたくさんあります。
でも、私は一人です。

だからこそ、AIの力も借りながら、できるだけムダな時間を減らし、本当にやりたいことに時間を使っていきたいと思っています。

仕事を増やすための効率化ではなく、自分らしく仕事を続けるための効率化。

仕事も暮らしも大切にするために、まずは今日の仕事を振り返ることから始めてみませんか?


「一人で仕事をする人の時間の使い方」シリーズ

次回は、「やることが多すぎる!一人起業家が『やらないこと』を決める大切さ」について考えていきます。

参考文献・参考記事

萩原雅裕 著『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか? 仕事が3倍速くなる計画・実行・中断の技術』(ダイヤモンド社、2026年)

ダイヤモンド社
「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか? 隠れたムダを消し最速で働ける(1)「手戻りをなくす」計画(2)「切り替えをなくす」実行(3)「一度やったことを忘れない」中断の技術

ダイヤモンド・オンライン「仕事のムダに『気づいていない人』の致命的な特徴・ワースト1」

ダイヤモンド・オンライン
仕事のムダに「気づいていない人」の致命的な特徴・ワースト1 仕事の「ムダ」と聞くと、何を思い浮かべるでしょうか。必要のない会議、長すぎるメール、使われない資料づくり。もちろん、こうした作業を減らすことも大切です。しかし、...

発信や集客を整えたい方へ

メルマガでは、売り込まずに信頼され、選ばれるための発信や集客のヒントをお届けしています。

ご登録いただいた方には、今の集客導線を見直せる無料プレゼントもご用意しています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

好きと出来るで未来を変える。自信を纏う人生をサポートする、ライフワークデザイナー。 経営者のコンサルタント・コーチ・IT/SNSサポート 
キャリアコンサルタント・カウンセラー

目次