ライフワークデザインOKURIMONO 加藤朱実です。
「仕事はあるんです」
「毎日忙しいんです」
「でも、なぜかお金が残らないんです」
個人事業主や小規模事業者の方から、こうしたお話を聞くことがあります。
仕事がないわけではない。
予定も入っている。
毎日やることもたくさんある。
それなのに月末になって数字を見ると、
「こんなに働いているのに、なぜ?」と思ってしまう。
実は、
忙しいことと、売上や利益が増えることは同じではありません。
これは、私自身も経験してきたことです。
仕事はある。
毎日忙しく動いている。
でも、振り返ってみると単価の低い仕事が多かったり、
集客のために行っていた無料相談に時間を使いすぎていたり、
仕事に必要だと思って学びや講座にお金をかけすぎていたり。
「働いているのだから、そのうち売上も増えるだろう」
と思っていても、そう単純ではありませんでした。
お客様のお話を聞いていても同じです。
商品の仕込みに長い時間がかかる。
次の商品を考えるために時間が必要。
良い商品を作りたいから、使用する材料にもこだわる。
どれも決して悪いことではありません。
むしろ、仕事を大切にしているからこそ時間もお金もかかります。
ただ、その結果、
「忙しいのに利益が残らない」
という状態になってしまうことがあります。
もし今、同じような状態になっているのであれば、
「もっと仕事を増やさなきゃ」
と考える前に、一度、今の仕事の中身を見直してみてください。
1.単価の低い仕事に時間を使いすぎていませんか?
まず確認したいのが、
その仕事に全部で何時間使っているのか
ということです。
たとえば、
3,000円の仕事に2時間かかる。
5,000円の仕事だけれど、準備や連絡、片付けまで含めると3時間かかる。
こうした仕事が増えれば、当然忙しくなります。
仕事をしている時間が長いので、「こんなに働いている」という感覚にもなります。
でも、時間に対する売上はなかなか増えません。
私自身も、以前は単価の低い仕事をたくさん抱えて、
「仕事はあるのに、思ったほど売上が増えない」
という時期がありました。
一件一件はそれほど負担に感じなくても、数が増えると時間がなくなります。
しかも、その間は新しい商品を考えたり、発信をしたりする時間も取れません。
ここで大切なのは、
「このサービスはいくらで売れているか」
だけを見るのではなく、
その仕事に関連して使った時間をすべて含めて考えることです。
たとえば、
・お客様との事前連絡
・準備
・移動時間
・サービス提供時間
・片付け
・報告や事務処理
・アフターフォロー
などです。
「1時間の仕事」だと思っていたものが、実際には3時間使っていた、ということもあります。
一度、
売上 ÷ その仕事に使った時間
で見てみてください。
思っていた以上に時間を使っているサービスが見つかるかもしれません。
2.無料でやっていることが増えていませんか?
個人で仕事をしていると、
「これくらいなら」
「せっかく来てくださったから」
「少しでも役に立てれば」
という気持ちから、無料で対応する範囲が広がっていくことがあります。
私自身も、フロント商品として無料相談を行っていた時期があります。
もちろん、無料相談そのものが悪いわけではありません。
でも、回数が増えたり、相談時間が長くなったり、相談後のフォローまで行ったりすると、
それだけでかなりの時間を使います。
相談をした日は、「今日はたくさん仕事をした」という感覚になります。
でも、売上にはつながっていない。
それが何件も続くと、少しずつ疲弊していきます。
同じように、
・30分の相談が毎回1時間になっている。
・サービス外のことまで対応している。
・修正回数を決めていないため、何度も修正している。
・営業時間外でもメッセージに返信している。
こうしたことが続くと、
売上にならない仕事で忙しくなっている
可能性があります。
「親切にすること」と「何でも無料で対応すること」は違います。
どこまでが料金に含まれているのか。
無料相談は何のために行うのか。
対応できる範囲はどこまでなのか。
一度決めておくことも、長く事業を続けるためには必要です。
3.仕込み・準備・商品づくりに時間をかけすぎていませんか?
業種によっては、お客様の目に見えないところで、かなりの時間を使っています。
たとえば食品を扱う仕事なら、
・仕入れ。
・仕込み。
・調理。
・片付け。
・在庫管理。
・新商品の試作。
こうした時間があります。
講師業やコンサルティングでも、
・資料作成。
・事前調査。
・講座内容の組み立て。
・お客様ごとの準備。
などがあります。
クライアントさんの中には、
「材料には絶対にこだわりたい」
「少しでも良いものを提供したい」
「次の商品も考えたい」
という方も多くいらっしゃいます。
これは、とても大切な姿勢です。
ただし、
材料費が高くなりすぎていないか。
仕込みに何時間使っているか。
商品の価格に、その手間が反映されているか。
ということは、別に考える必要があります。
たとえば、こだわった材料を使っているのに、
周囲と同じ価格で販売していたら、利益は残りにくくなります。
時間をかけて丁寧に作っているのに、その時間を価格に反映していなければ、
売れば売るほど忙しくなる、
ということも起こります。
「こだわりをやめる」のではなく、そのこだわりに見合った価格や売り方になっているかを見る。
ここが大切です。
4.忙しすぎて「次の売上」を作る時間がなくなっていませんか?
目の前の仕事だけで一日が終わる。
これは一見、
「仕事が順調」
に見えます。
でも、
・SNSを更新できない。
・ブログを書けない。
・メルマガを出せない。
・既存のお客様へ連絡できない。
・新しいサービスを考えられない。
・次の商品を開発する時間がない。
となると、数か月後に影響が出てきます。
今の仕事をこなすことも大切。
でも事業には、
「今の売上を作る仕事」と「これからの売上を作る仕事」
の両方が必要です。
特に小規模事業者や一人で仕事をしている方は、自分が動かなければ全部止まってしまいます。
だからこそ、
「空いたらやろう」
ではなく、
・発信する時間。
・商品を考える時間。
・既存のお客様をフォローする時間。
・事業全体を見直す時間。
を先に予定に入れておくことも大切です。
5.学びや経費にお金を使いすぎていませんか?
個人事業主になると、
「もっと勉強しなきゃ」
「このスキルも必要かも」
「この講座を受けたら仕事につながるかも」
と思うことがあります。
私自身も、学びにはかなりお金を使ってきました。
もちろん、その学びが今の仕事につながっているものもたくさんあります。
でも振り返ると、
「これは本当に今必要だったかな?」
と思うものもあります。
・講座代。
・資格取得費。
・コンサルティング費用。
・オンラインツール。
・サブスク。
・広告費。
これらが少しずつ増えていくと、売上は上がっていても手元に残るお金は増えません。
学びは事業への投資です。
ただ、
投資した金額以上の価値を事業に戻せているか
という視点は必要です。
・講座を受けることが目的になっていないか。
・契約したツールを本当に使っているか。
・似たようなサービスに二重で支払っていないか。
半年に一度くらいは見直してみるとよいと思います。
売上を見るだけではなく「何が残ったか」を見る
事業をしていると、どうしても売上に目が行きます。
「今月は30万円売れた」
「先月より10万円増えた」
これはもちろん大切です。
でも、
売上が増えても、
・材料費が増えている。
・広告費が増えている。
・外注費が増えている。
・交通費が増えている。
・学びへの支出が増えている。
のであれば、手元には思ったほど残りません。
だから、
「いくら売れたか」だけではなく、「いくら残ったか」まで見る。
この習慣はとても大切です。
さらに言えば、
「その利益を作るために、何時間働いたか」
まで見ると、今の仕事の形が見えてきます。
忙しいときほど「増やす」より「整理する」
売上を増やしたいと思うと、
つい、
もっと集客しよう。
もっとお客様を増やそう。
もっとSNSを頑張ろう。
と考えてしまいます。
でも、すでに忙しい人がさらに仕事を増やしたら、どうなるでしょうか。
もっと忙しくなるだけかもしれません。
だからこそ、一度、
・時間がかかりすぎている仕事はないか
・単価を見直した方がよいものはないか
・無料でやりすぎていないか
・材料費や仕入れにお金をかけすぎていないか
・学びやサブスクを増やしすぎていないか
・やめても困らない仕事はないか
・仕組み化できる仕事はないか
・AIやITで時短できることはないか
を確認してみてください。
売上を増やす方法は、
仕事の数を増やすことだけではありません。
単価を見直す。
無駄な時間を減らす。
無料対応を整理する。
経費を見直す。
利益の出る商品に力を入れる。
これも立派な売上・利益改善です。
「忙しいのに利益が残らない」は、仕事を見直すタイミング
仕事がある。
お客様もいる。
毎日忙しい。
それなのに、お金が残らない。
そんなときは、
「もっと頑張らなきゃ」
ではなく、
「今の仕事のやり方を見直してみよう」
と考えてみてください。
売上につながっている仕事。
これからの売上につながる仕事。
時間ばかりかかっている仕事。
無料で抱え込んでいる仕事。
必要以上にお金を使っているもの。
一つずつ整理していくと、
「ここを変えればいいんだ」という場所が見えてきます。
私自身も、
仕事を増やすことだけを考えるのではなく、
単価。
時間。
無料で行っていること。
学びに使うお金。
こうしたものを見直すことの大切さを経験してきました。
個人事業主や小規模事業者にとって、使える時間もお金も限られています。
だからこそ、
働く時間を増やさなくても、今より利益が残る仕事の形をつくれないか。
そんな視点で、今の仕事を一度見直してみてください。
「忙しいのに売上や利益が増えない」という状態は、
仕事のやり方を次の段階へ変えるサイン
なのかもしれません。
